2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520625
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
工藤 元男 Waseda University, 文学学術院, 教授 (60225167)
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Keywords | 中国史 / 史料学 / 考古学 / 民俗学 / 社会人類学 / 宗教儀礼研究 / 生活・生態研究 / 比較民俗学 |
Research Abstract |
先に睡虎地秦簡田律と秦暦・楚暦の問題から秦楚間の暦法の差異に注目し、占領者の秦が占領地の楚地に秦律を適用するさいの暦法の影響を指摘したが、今回、この問題をさらに青川木牘「為田律」や「二年律令」田律と「日書」に見える土功の禁忌の関係から具体的に検討した。その結果、「二年律令」田律の中から「日書」の土功の禁忌と見紛うばかりの律文が検出され、土功に関する田律が在地社会の習俗と密接な関係をもっていたことが明らかになった。またそれは近年発見の「月令詔条」からも傍証され、そこでは土功の禁忌などが時期を特定されて設定され、それを管理する側が地方官であった。すると、地域ごとに習俗を異にする場合、法もまた地域的変容を余儀なくされることがあった。そうした地域的に適用される法の申請を許す規定が、「二年律令」置吏律(第219簡~第220簡)だったことを明らかにした。 その成果は、2009年4月18日にメトロポリタン史学会第5回大会シンポジウム「時の支配と時間意識」(首都大学東京・南大沢キャンパス)で「中国古代の「日書」にみえる時間と占卜」として口頭発表し、また2009年8月12日、中国社会科学院歴史研究所で行われた第1回中日学者中国古代史論壇のシンポジウムで「秦漢田律考-以与習俗的関聨為主-」で口頭発表した。それらの内容は、さらに「中国古代の「日書」にみえる時間と占卜」(『メトロポリタン史学』第5号、pp.3-23、2009年12月)として発表した。
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Research Products
(3 results)