2009 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦中の連合国教育相会議に関する歴史学的検討
Project/Area Number |
20520628
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
廣部 泉 Meiji University, 政治経済学部, 教授 (80272475)
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Keywords | 西洋史 |
Research Abstract |
まず国際文化交流の歴史的展開や国際連盟や国際機関ユニオンなどの欧州の諸機関を検討する上で必要な歴史的理解を与えてくれる二次資料や、国際連盟関係のマイクロフィルムなどの一次資料の通読並びに分析を引き続き行い、必要な背景的理解を得ると共に、当該プロジェクトに関係する資料のうち、日本に存在しないものを特定し収集した。特に資料の一部が既に電子化され、直接ダウンロードなどによって資料の閲覧・入手が可能な英国国立公文書館においても、サイトにおける電子的リサーチでは資料の発見等に限界があることが判明したので、実際に訪問して現地調査を行い、戦時中の連合国教育相会議のイギリス側の資料を入手した。また、アメリカへの他プロジェクトの研究調査において、数日を本プロジェクトにあて、国際連盟非加盟ながらオブザーバーとして様々な事業に参加したアメリカの資料を収集した。それらの成果を元に、今回入手した会議実施国である英国側の資料と、前回収集した、後にユネスコの本部となり当該事業を引き継ぐことになるフランス側の資料を付き合わせつつ、両国がどのようなヴィジョンから当該会議に参加し、どのように戦後に向けて思惑通りにことを運ぼうとしたのかを明らかにしている。またアメリカでの調査によって、そのような視角において、離れた立場から観察していたアメリカ側の資料が大いに役に立つことが判明した。現在のところ、フランスが最終的に当該分野で主導権を発揮するにおいて英米がどのような意図をもってみていたか、特に英米の考えのズレを明らかにするのが特に重要との暫定的見解を得た。
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