2008 Fiscal Year Annual Research Report
フランス絶対王政の統治構造におけるポリス:オート=ノルマンディーのマレショーセ
Project/Area Number |
20520646
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
正本 忍 Nagasaki University, 環境科学部, 准教授 (60238897)
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Keywords | ポリス / フランス / マレショーセ / 絶対王政 / ノルマンディー |
Research Abstract |
本研究は、18世紀前半のオート=ノルマンディー地方のマレショーセ(プレヴォ裁判所、騎馬警察隊)の活動の実態を明らかにすることによって、アンシァン・レジームの統治構造をポリスの側面から検証するとともに、フランス絶対王政の固有の性格について再検討することを目的とする。平成20年度の研究は、(1)フランスの古文書館における関係史料の収集、(2)史料の読解・分析、(3)論文執筆、(4)論文のフランス語への翻訳作業、フランス語原稿の訂正作業、の4つの作業から計画された。このうち、(4)を除いて、成果が得られた。 (1)については、9月に約3週間渡仏し、セーヌ=マリティーム県古文書館、防衛省歴史課古文書館で史料の収集に努めた。その成果の一部は史料紹介として『総合環境研究』(第11巻第2号。平成21年3月)に発表した。 (2)については、プレヴォ裁判の管轄・権限と騎馬警察隊の職務内容を明らかにするために、かつて収集していた史料と今回新たに集めた史料(特にプレヴォ裁判文書を補充)の読解・分析を進めている。その成果は一部、平成21年6月の法制史学会近畿支部で報告する予定である。 論文は2本書き終えた((3)の作業)。「アンシァン・レジーム期フランスの国王「中級」役人」は6月に書き上げ、全国学会誌に投稿したものの、書き直し・再投稿となった。現在、内容・構成の再検討中であり、平成21年5月末までには再投稿の予定である。「マレショーセと地域住民」は8月末に書き終え、共著書の1つの章として平成21年度に刊行の予定である。「フランス絶対王政期における「警察官」(仮題)」は現在執筆中であり、平成21年初夏までに投稿の予定である。また、上述の論文の一部と既刊の論文を合わせた博士論文『アンシァン・レジーム期フランスの地方警察』をほぼ書き終えており、細部を調整した上で、平成21年7月までに提出するつもりである。
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