2009 Fiscal Year Annual Research Report
フランス絶対王政の統治構造におけるポリス:オート=ノルマンディーのマレショーセ
Project/Area Number |
20520646
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
正本 忍 Nagasaki University, 環境科学部, 准教授 (60238897)
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Keywords | ポリス / フランス / マレショーセ / 絶対王政 / ノルマンディー |
Research Abstract |
平成21年度の研究も、(1)フランスの古文書館における関係史料の収集、(2)史料の読解・分析、(3)論文執筆、(4)論文のフランス語への翻訳作業、「フランス語原稿の訂正作業、の4つの作業から計画された。このうち、(4)を除いて、以下のように成果が得られた。 (1) については、2月に約2週間渡仏し、セーヌ=マリティーム県古文書館、防衛省歴史課古文書館、リール市古文書館で史料の収集に努めた。その成果の一部は現在執筆中の博士論文の実証を補強することになるであろう。 (2) については、プレヴォ裁判の管轄・権限、騎馬警察隊の職務内容、騎馬警察隊員の親任状の内容を明らかにするために、かつて収集していた史料と今回新たに集めた史料の読解・分析を進めている。 (3) については、論文3本(すべて単著、査読付き)を公表した。これらの論文、すなわち「18世紀前半期オート=ノルマンディー地方のマレショーセ隊員-年齢、身長、軍隊経験-」(『西洋史学論集』第47号、2009年)、「オート=ノルマンディー地方のマレショーセ隊員の採用(1720~1750年)」(『総合環境研究』第12巻第1号、2010年)、「近世フランスの騎馬警察隊員の在職期間-18世紀前半期のオート=ノルマンディー地方の事例-」(『七隈史学』第12号、2010年)はそれぞれ現在執筆中の博士論文の一部である。また、2008年の日本におけるフランス近世・近代史の研究動向を総括・評価した「2008年の回顧と展望 近代-フランス」の執筆も付け加えたい(『史学雑誌』第118編第5号、2009年)。 なお、昨夏に提出予定であった博士論文は、上述の3本の論文公表との両立が難しく、未だ提出できないままである。しかし、すでにほとんど書き終え、細部を詰める作業にかかっており、本年7月までには提出する予定である。
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