2009 Fiscal Year Annual Research Report
黒耀石利用のパイオニア期と日本列島人類文化の起源に関する研究
Project/Area Number |
20520664
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
島田 和高 Meiji University, 文学部, 兼任講師 (70398907)
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Keywords | 考古学 / 旧石器時代 / 行動的現代人 / 環状ブロック群 / 黒曜石 / 原産地遺跡 / 先史資源開発 / 現代人の起源 |
Research Abstract |
本研究の課題である行動的現代人の日本列島への到達と定着過程の復元にあたっては,2000年11月に発覚した「前期・中期旧石器時代遺跡捏造」事件の以降,ここ10年にわたって新たに蓄積された当該期の遺跡についての評価が必要となる。2009年度には,それら40ka以前の年代が主張されている遺跡について,網羅的に検討を行った。その結果,確実に40kaを遡る地域的な広がりを伴う人類文化の存在確定には至っていないこと,また仮に人類痕跡があったとしても,その僅少さは,38ka以降の地域的な広がりを伴う確実な痕跡以前に,定着に失敗した数波にわたる列島への移住があったことを示すのではないか,とする仮説を構築した。その成果は,北京で開催された第3回アジア旧石器協会で報告した。また,35ka前後に出現しその後消滅する環状ブロック群と呼ばれるムラ跡は,行動的現代人の列島定着の時期と重なることから,これらのムラ跡をめぐるヒトの移動生活の構造的な特質を明らかにするため,40箇所に及ぶ遺跡データを相互に比較検討し,環状ブロック群の形態とヒトの行動の相関に関する作業仮説を構築した。これら2009年度の成果については,一部投稿中を含め2010年度に論文掲載される予定である。
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Research Products
(2 results)