2008 Fiscal Year Annual Research Report
地理的技能と学力を測定するテストのあり方に関する研究
Project/Area Number |
20520680
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
志村 喬 Joetsu University of Education, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (70345544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田部 俊充 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (20272875)
大西 宏治 富山大学, 人文学部, 准教授 (10324443)
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (40167523)
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Keywords | 地理教育 / 社会科 / 地理学力 / 学力評価 / リテラシー / 地図 / 統計 / 学力水準 |
Research Abstract |
研究期間1年目の今年度に実施した主な研究内容とその成果は以下の通りである。 1. イギリスの中等教育修了資格試験(GCSE)地理全国要領,スペシフィケーション,問題例を分析・考察した。その結果,意思決定を組み込んだ課題解決型問題が基本であること,解答に際しては地図をはじめとした非連続型テキストの読解・表現など多様なリテラシーと知識が要求されることが明らかとなった。また,イギリスにおける地誌学習成果のとらえ方についても研究を進めた。 2. 日本の中学校社会科教育における統計の扱いについて通時的に調査検討した。特に,昭和40年代の統計教育を現在のPISA学力と比較考察し,地理教育における統計を中心とした技能を国際的な学力論との関係で位置づけた。また,アメリカ合衆国マサチューセッツ州における社会科テスト政策についても調査を遂行し究明した。 3. 地形図読図としての新旧地形図比較の中でも,特に微地形の読み取り問題を検討した。さらに,そこでの成果を発展させ,図上防災訓練や地球地図(Global Map)を活用した読図教育として発表した。また、その他、読図のテストに関して、小学校では地域安全マップ、高等学校ではGIS教育を通じて検討した。 4. 日本の小中学校における地理テストとして,文部科学省教育課程実施状況調査、小学校ドリル教材と評価テスト、中学校向け市販問題集を収集し分析を進めた。また,米国で開催された全米社会科協議会大会に参加し、米国における社会科テストの状況を調査した。その結果,学力水準を保証する大学入学テストの実態,米国における地理学力と地理テストに関係する研究動向,関連教材とその活用法,地理学力向上のためのシステム等について最新の知見を得ることができた。 以上のような日・米・英の地理テストに関する情報は貴重であり,国際的な視座から調査を進めたことは大きな意義を有する。
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