2008 Fiscal Year Annual Research Report
合併に伴う「小さな自治」システムの新自治体への展開と課題
Project/Area Number |
20520687
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
藤目 節夫 Ehime University, 法文学部, 教授 (80036384)
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Keywords | まちづくり / 川根地区 / 地域共同体 / 住民自治 / 持続可能性 / 合併 |
Research Abstract |
地理学のみならず他分野の文献を渉猟し、本研究の意義と位置づけを明確にするとともに、合併前の小さな自治システムを明らかにするために、高宮町川根地区の住民自治のまちづくりの実態調査を行った。 その結果、川根地区のまちづくりは、(1)住民が企画し実施する事業(ふれあいマーケット、ほたるまつり、農事組合法人かわね)、(2)住民が企画し行政と協働する事業(エコミュージアム川根)、(3)住民が企画し行政に提案する事業(お好み住宅)、の3種類に分類されることが明らかとなった。 また、同地区のまちづくりは、持続可能性という視点から見ると、環境的・経済的・社会的持続可能性に加えて、政治的・空間的持続可能性も含んだ包括的持続可能性が目指されていることが明らかとなった。特に後者の2つの持続可能性では、旧川根村全体の持続可能性の維持を最重要課題として、全国的に前例のない川根村全体での農業の共同化のための「農事組合法人かわね」が設立された。 さらには、川根のまち「づくり」で創られているものを検討した結果、以下の8つのものが作られていることが明らかとなった・それは・(1)ひとづくり、(2)ものづくり、(3)生活づくり、(4)仕事づくり、(5)文化づくり、(6)関係づくり、(7)組織づくり、(8)環境づくり、である。 最後に、同地区では川根振興協議会がまちづくり全体のプラットフォーム(包括的地域共同体)の役割を果たし、これとの関係を綿密にした形で多数の個別の地域共同体が活動を展開しており、この包括的と個別的地域共同体の共存がまちづくりに重要な役割を果たしていることが明らかとなった
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Research Products
(1 results)