2009 Fiscal Year Annual Research Report
人口希薄な農村地域をエンパワーする-先進国での取り組みと日本の展望-
Project/Area Number |
20520694
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
松尾 容孝 Senshu University, 文学部, 教授 (20199764)
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Keywords | 農村 / 農業 / 林業 / 地域振興 / 農林業政策 / 周辺地域 / 人文地理学 / 持続可能性 |
Research Abstract |
日本の農業・農山村に関して、2009年度、松尾「山陰における農山漁村の生業と生活」IATSS Review, 34-1, 77-89を刊行した。また、現代日本の農業政策と農業実態について、Y.Matsuo, Examining Japanese Rural Policies from the Viewpoint of Social Capitalを脱稿した。ドラスティックな農業の担い手の変化、農村住民の多様化を指摘し、土地管理政策の重要性を明らかにした。 次に、A「日本における林業経営の持続可能性」、B「周辺地域問題・地域政策・地域振興に関する文献整理」、C「研究成果の学会・研究集会での発表」(2008年度研究実施計画からの継続課題)と、D「マージナルリージョンの存立構造と持続可能性」(2009年度研究実施計画の課題)について取り組んだ。成果は次のとおり。 A・Dに関して、吉野林業地帯(奈良県吉野郡)を対象に、林業の現状と山村住民の居住動向を調査した。また、天竜林業地帯と隣接地愛知県北設楽郡を対象に、森林組合の林業活動を調査した。Cに関して、吉野林業地帯について、2009年7月1~3日於石垣島での研究集会Social Capital and Development Trends in Japanese and Swedish Countrysideにおいて発表し、その成果を取りまとめ中である。B・Dに関して、日本の条件不利地域政策や地域政策の概観と問題点の指摘および地域差を踏まえた地域振興施策の重要性について、奥多摩町・吉野地方・山陰を対象として、2010年3月に松尾・江崎「現代日本の過疎地における生活様式と地域支援」『専修大学人文科学研究所月報』244,1-43を刊行した。林業地域構造の根本的な転換と地域再編、地域差を踏まえた地域振興施策として具体的に重要な事項について、ある程度見通しを持ちえた。2010年度にその取りまとめを目指す。
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