2010 Fiscal Year Annual Research Report
ミャンマーの教育行政と民族教育に関する人類学的研究
Project/Area Number |
20520709
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高谷 紀夫 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (70154789)
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Keywords | ミャンマー / 人類学 / 文化 / 民族 / 教育 / カンボジア |
Research Abstract |
本研究は、代表者が1980年代より継続している多民族国家ミャンマー(旧ビルマ)の文化と社会に関する人類学的研究の一部を成すものであり、その主目的は、第一に、1948年の独立以降において、多民族の連帯を国是として愛国心と連邦精神の育成を掲げてきた政府が、どのような教育行政を実施し、その脈絡において、連邦を構成する諸民族文化の具体的にどの部分が、どのように教育の柱として選別認定されてきたか、第二に諸民族側がその教育行政に対してどのように対応してきたかの二点について、現地資料を活用して分析を試みるものである。 本年度は、最終年度にあたり、旅費・謝金等の活用により研究課題に関する現地調査による資料収集、平行して民族誌的記述の方法論に関する研究者との意見交換を経て、最終報告となる論文集を編集した。 『「民族」・教育・文化化~ミャンマー、カンボジアを事例に~(Ethnicity, Education and Enculturation in Myanmar and Cambodia)』と題した別途編集した同論文集は、本研究代表者の論考「ミャンマーの「民族」知識に関する二つのエッセイ」に加え、現地での研究協力者であるヤンゴン大学人類学科講師タン・パレー氏、平成20-21年度にカンボジアに派遣した研究協力者である松井生子氏(平成22年度後半は、広島大学研究員(大学院総合科学研究科))の論考も掲載している。前者は、アカ族の社会化・文化化に関する貴重な民族誌的資料を含み、後者も、一次資料に基づいて民族教育の比較の視点を提供して、学界への貢献を期している。
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Research Products
(1 results)