2008 Fiscal Year Annual Research Report
東アラブ諸国におけるマイクロファイナンスの実態とそのインパクトに関する比較研究
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20520713
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
鷹木 恵子 J. F. Oberlin University, 人文学系, 教授 (60211330)
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Keywords | マイクロファイナンス / エジプト / MCサミット報告書 / アガハーン財団 / SANABEL / MCと開発 / 中東北アフリカ / 貧困削減 |
Research Abstract |
研究初年度のテーマは、東アラブ諸国の中でもマイクロファイナンス(以下、MF)の歴史が最も古いエジプトとレバノンに焦点をあて、現状調査を行うことであった。まず夏に予定していた現地調査に先だち、5月には同月の横浜でのTICAD IVと7月の洞爺湖サミットに向けて、NGOによるアドボカシー活動北協力し、『マイクロクレジットの現状-サミット報告書2006』の翻訳を行った。また7月下旬にはインドネシア・バリで開催されたアジア太平洋地域MCサミットに出席し、最新情報の収集に努めた。8月にはエジプトにおいてカイロとアレキサンドリアを中心にMFの現状調査を行った。まずアラブ諸国のMF機関連合組織SANABELの本部を訪れ、資料収集と責任者へのインタビュー調査を行った。またカイロでは3つのMF機関で現状調査とMF融資受益者たちへの聞き取り調査を行った。一つはパキスタン・イスマイール派のアガハーン財団のMF機関、もう一つはコプト教会系MF機関であったが、スンナ派とシーア派、キリスト教徒とムスリムとを区別せずに融資しており、模範的な活動を観察する機会となった。レバノンでの調査は政情不安から、本年度は断念した。夏の調査も踏まえ、11月にはマレーシアで開催されたイスラーム地域研究の国際会議で、「中東・北アフリカにおけるMCと開発」のテーマで研究報告を行った。またマレーシアはアジアでもMFが最も盛んな国であるため、多くの研究者との意見交換を行った。さらに研究成果を社会に還元する意味で、札幌JICAで、アフリカ・仏語圏からの研修生向けに中東北アフリカでのMFの現状と貧困削減について仏語で集中講義も行った。
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