2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本の近代化に貢献した長崎国際墓地埋葬者の研究-英国公文書館の関連資料調査と分析
Project/Area Number |
20520719
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Research Institution | Nagasaki Institute of Applied Science |
Principal Investigator |
バークガフニ ブライアン 長崎総合科学大学, 環境・建築学部, 教授 (00289612)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 博 長崎総合科学大学, 環境・建築学部, 教授 (20341555)
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Keywords | 国際墓地 / 外国人功労者 / 人間学 / 長崎居留地 / 領事館アーカイブ / 英字新聞 |
Research Abstract |
本研究の目的は、長崎の国際墓地埋葬者に焦点をあて、日本の近代的産業および西洋医学に著しく貢献した外国人功労者の来歴と人物像をあきらかにすることであった。英国および米国の国立公文書館また東京の国会図書館における発掘調査を通して大きな成果をあげた。数千枚におよぶ書類や写真の複写を始め、旧長崎居留地の歴史研究や国際墓地埋葬者の足跡調査を前進させる多くの資料を収穫した。研究代表者も分担者も本研究で得られた情報や資料をもって、著書、論文、講義、講演、学会など様々な場で活用している。その中で、研究代表者の単著「Nagasaki:The British Experience 1854-1945」(Global Oriental UK、2009年発行、288頁)は本研究と直結して発表し、研究分野と日英の学術交流に寄与することができた。 本研究が発掘しようとした外国人功労者の子孫数名に連絡が取れ、貴重な資料を入手した。その中には、ジョン・ヒル(三菱長崎造船所の技師)、ジョージ・マンスブリッジ(同)、ウィルソン・ウォーカー(郵便汽船三菱商会の監督船長)、アーガ・ジョーダン(大北電信会社長崎支局長)、ロバート・ボウィー(アメリカ人医師)などが含まれる。 外国人功労者の足跡調査およびその業績の再検討を行うことによって、外国人功労者がもたらした情報や技術は日本の近代的造船業、炭鉱業、海運業、通信業および西洋医学の発展過程に大きく貢献したことを明らかにした。この作業によって、いままで充分評価されてこなかった長崎外国人居留地にかんする歴史的・文化的研究をいっそう前進させ、今後の英字新聞、英国や米国領事館アーカイブ、写真や絵はがきといった関連資料の調査、整理、データベース作成の促進に道を開いた。
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Research Products
(5 results)