2008 Fiscal Year Annual Research Report
ニヴフの植物資源利用および植物語彙に関する基礎情報の収集とデータベースの構築
Project/Area Number |
20520724
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
水島 未記 History Museum of Hokkaido, 学芸部, 研究員 (70270585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 英才 札幌学院大学, 経済学部, 准教授 (10405631)
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Keywords | 文化人類学 / 言語学 / 民族植物学 / 民族語彙 / 生態人類学 / ニヴフ語 / ロシア極東 / サハリン |
Research Abstract |
平成20年度は、実施計画どおり、約2週間の現地調査を行い、一定の成果を上げた。 8月上旬、サハリン北部(アヒンスキー地区)ネクラソフカ村において、2名の話者から、ベリー類の利用を中心とした聞き取り調査を行った。聞き取りはすべて録画・録音により記録し、帰国後、日本語への翻訳を行うと同時に、得られた情報から植物の同定を行った。 ベリー類については、採集時期・場所(環境)等について、従来以上の詳しい情報を得ることができた。サケ・マスの身などと組み合わせた伝統的な料理について、料理法についての詳細な情報が得られ、調理の様子を録画記録することができた。 現代のニヴフの生活におけるベリー類の位置づけについても、採集したベリーの、都市部の市場での販売が貴重な現金収入になっているなど、その重要性を確認することができた。 また、ベリー類のみならず、草本を中心に、従来、利用に関する知見の全くなかった植物種について、利用していたという情報を得ることができた。そのうち多くの種について、話者とともに野外で現物を確認し、正確に同定する道筋をつけることができた。同定作業は引き続き進行中である。これらについては、既存文献(E.A.クレイノヴィチなどによる民族誌ほか)では触れられていない植物接および、正確に同定されていない植物種を含むものと思われる。 また、ニヴフ語についても、いくつかの植物名称など、新しい語彙を採録することができた。
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