2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20520725
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
手塚 薫 北海学園大学, 人文学部, 教授 (40222145)
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Keywords | 千島列島 / 先史文化 / アイヌ / 歴史生態学 / 島嶼生物地理学 / 植民モデル / 珪藻 |
Research Abstract |
2011年10月31日から11月2日にかけて米国シアトル市のワシントン大学で行われた国際ワークショップ、Kuril Biocomlexity Project Synthesis Workshopに出席し、文化遺物時珪藻に関わる研究成果を公表するとともに、KBP(Kuril Biodiversity Project)調査の他の参加研究メンバーが発表するその他の調査データとの統合を行った。 その結果、島嶼環境に進出適応した人類の資源・土地利用に関わる戦略を検討するため、人類学的手法に加え、古生物、古環境などをも対象とする現地調査活動によって、種々の生態環境変動のデータを集約し、環境変動に対する人類の「脆弱性」や「耐性」を究明することができた。また、人類が島嶼地域の生物相に及ぼした影響やそれら資源が人類に及ぼした影響の相互作用、いわばエコシステムの履歴を検討することもできた。2011年5月から2012年2月にかけて文化遺物の計測と図面作成を行い、国内の既存報告資料との対比を行い、千島列島における文化編年構築の基礎データとして提供した。国内の北方研究者と情報の交換を随時行いながら、現段階でのできるかぎり正確な植民・文化システムモデルを提示した。 米国内に所在する戦時の航空写真を参照して、土地利用形態や環境の改変の痕跡を明らかにした。そしてそれらの情報をもとに研究成果のとりまとめを行った。従来のフィールドワークで採取した千島考古・民族資料の分類と同定にもとづき、地理学的景観と土地利用形態の復元を補完するために、2011年8月から9月にかけて、国外(フランス)の文書・絵画資料との対比を行った。
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