2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20529001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木山 克彦 Hokkaido University, スラブ研究センター, 非常勤研究員 (20507248)
|
Keywords | 靺鞨 / 女真 / オホーツク文化 / 北東アジア考古学 / ロシア極東・中国東北部 |
Research Abstract |
本研究は極東地域の靺鞨に関して考古資料を用い、その歴史的展開を跡付けようとするものである。今年度は本研究の初年度にあたり、予算執行の開始時期が年度後半であった為、主に今後の研究遂行にあたっての準備が中心となった。研究内容としては国内諸機関で関連資料の実見・分析を行った。海外ではロシア・ブラゴベシェンスク、ハバロフスクにおいて調査を実施した。その際、海外諸機関・研究者と今後の調査打ち合わせを行った。またロシア・中国といった海外の文献収集を行った。また積極的に研究会へ参加した。特にカナダ・エドモントンにおいて行われた国際ワークショップでは、靺鞨・女真とオホーツク文化の関係に関する報告を行った。オホーツク文化の消長が同時期の大陸の政治的展開と密接に連動していることを指摘した。同文化は比較的世界に知られる文化だが、北東アジアの歴史展開に同文化を位置づけて論じた英語論考は殆どない為、日本列島北半史の新たな一面を提示できたという点で重要な成果と考える。また近年のサハリンの研究動向に関する論考を訳して刊行している。北海道を北東アジア史に位置づける為には、サハリン島は大陸を結ぶ地域として注目される地域である。また近年の石油・天然ガス輸送パイプライン敷設に伴う緊急調査により従来知られていなかった考古資料が陸続と蓄積されている。本訳文は同島の近年の考古学成果を紹介した基礎資料として重要なものと考える。本年度中に刊行された研究成果は少ないが、上記の他、靺鞨・女真に関する幾つかの論文は寄稿し受理されており、その成果は次年度に刊行予定である。またカナダでの報告も2010年に紙上刊行される予定である。
|
Remarks |
基盤C
|