2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20529001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木山 克彦 北海道大学, スラブ研究センター, 助教 (20507248)
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Project Period (FY) |
2008-08-12 – 2013-03-31
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Keywords | 北東アジア考古学 / 靺鞨 / 渤海 / 初期鉄器時代 |
Research Abstract |
平成24年度は研究計画に基づき、ロシア沿海地方での野外調査とロシア科学アカデミー極東支部での資料調査を実施した。野外調査では、前年に引き続き、靺鞨罐成立以前にあたるエリザベトフカ1遺跡の発掘調査を行った。前年同様、ポリツェ文化III期とこれまで未詳であった青銅器時代併行の文化の資料を増加させることができた。ポリツェ文化III期は沿海地方に拡大する時期である。この拡大がその後の靺鞨罐の基盤となると申請者は考えており、ロシア沿海地方とアムール流域の中間地点に位置する同遺跡の把握は、同文化の拡大過程の詳細を明らかにする上で重要な位置を占めている。また青銅器時代併行の資料については、同時代の研究がこれまでロシア沿海地方に偏って調査研究をされてきた経緯を考慮すると、広く同時代の特性を把握する上で重要な成果といえる。出土資料はロシア科学アカデミー極東支部に保管されており、その資料整理・分析も実施した。合わせて比較分析の為、同機関に所蔵されている資料も分析した。 前年までの研究成果を踏まえ幾つかの論文・発表を行った。ロシア沿海地方における渤海土器の編年に関する論考を公表した。ロシア沿海地方南部において靺鞨罐成立以後渤海土器の系譜を明らかとしたものであり、従来の纏まった研究は存在しておらず、当該期研究の基礎として位置づけられると考えている。またモンゴルでの遼代の調査研究についても一般書に成果公表を行っている。本研究との関わりでは、遼代の土器と渤海土器を比較し、渤海の土器製作技術が一定度流入している可能性を指摘している。また上記のエリザベトフカ遺跡の調査についても国内、海外のシンポジウムにおいて発表している。韓国での発表では、遺跡の調査成果とともに初期鉄器時代に関する個人及び日本人研究者の動向を提示でき、現時点での当該期研究の各国間の合意点、相違点を明確化でき、非常に意義深いものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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