2009 Fiscal Year Annual Research Report
明示化困難な根拠に基づく自己決定権の制限:メタ理論から規範的生命倫理論へ
Project/Area Number |
20530001
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
嶋津 格 Chiba University, 大学院・専門法務研究科, 教授 (60170932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 正樹 千葉大学, 文学部, 教授 (20147490)
野崎 亜紀子 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (50382370)
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Keywords | 動物法 / 実験動物 / 未知の帰結への不安 / 政冶哲学としての倫理学 / 自由の規制理念 |
Research Abstract |
嶋津の実験動物に関する論文は、動物保護の論拠をかならずしも言語化することはしないまま、世界で立法として動物虐待禁止法が広がっている現状を紹介しながら、それをめぐる根拠付けの議論を基本的なところで分類し、みずからの議論を加えたものである。本研究での方法論的な問題意識を十分踏まえながら、現実のまだ結論の出ていない問題として動物法を扱っている。 野崎の個人の自由とその規制を論じた論文は、まさに本研究のテーマと直接取り組んでいる。生の両端(出生期と終末期)の倫理問題を取り上げながら、先端の医科学技術への自由とともに、それからの自由をも問題にする。結論部分では、「未知の帰結への不安」を法概念化し、それによって自由を規制することを正当化することが、どの程度可能か、を論じている。「人間の尊厳」論との関連も視野においている。結論部分はまだ展開が少なく、今後の発展が期待される。田島の「政治哲学としての倫理学」という視点も独自のものだが、倫理学基礎論として本研究のメタ理論への示唆を含む。
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Research Products
(4 results)