2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 信行 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (70217058)
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Keywords | 外国法 / 中国法 / 司法改革 |
Research Abstract |
2002年の中国共産党第16回大会は、前年末にようやく実現したWTO加盟を受けて、諸外国から要請されていた法治主義の一層の強化を実現するために、その一環として司法改革に取り組む方針を明らかにした。ただし司法改革は、国外から強く要請されていただけでなく、国内にもそれ以上に深刻な必要性が存在していたため、すでに1990年頃から少しずつすすめられていた。 本研究では、この司法改革の中心となった3つの「人民法院改革5年綱要」について、その内容および実施状況を中心に調査、研究を進めた。 以上の調査によって明らかにされたのは、法制度面での整備が進捗する一方で、司法活動に著しい障害が発生しているという深刻な現状である。第1次、第2次の「人民法院改革5年綱要」では、司法の独立に向けた改革が目指されたが、第3次「人民法院改革5年綱要」では一転して党の指導への従属が強調されるようになった。その結果、法院は社会的な影響力をもつような事案については、独立して裁判をすることができなくなっている。 本研究はこのような調査結果を踏まえ、その現状とこれらの問題の根底にある原因について初歩的な分析をおこなった。あわせて、それらの影響が強く反映している刑事訴訟法と民事訴訟法の改正内容についても検討した。
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Research Products
(3 results)