2009 Fiscal Year Annual Research Report
中国における労働紛争解決法と労使コミュニケーション
Project/Area Number |
20530012
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
梶田 幸雄 Reitaku University, 外国語学部, 教授 (20382591)
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Keywords | 外国法 / 中国法 / 労働法 / 労働仲裁 / 労働紛争 / 人事労務管 |
Research Abstract |
1 労使紛争および労使コミュニケーションを検討する上で基本となる問題として、人事労務管理の原則および法体系の問題がある。このことを中国に進出する日本企業は理解しておく必要がある。そこで、この点について再確認した。その上で、この法体系によって規律される具体的な問題として、(1)雇用、(2)労働契約、(3)労働協約、(4)就業規則の内容について検討した。これによって、企業は、使用者と労働者の経営活動上の意思が適切に疎通されるための労使コミュニケーションのあり方に検討できるようになる。以上について、共著『中国投資・ビジネスガイドブック』(2009年、エヌ・エヌ・エー)第7章「人事労務管理の法と実務」(435-491頁)において論及した。 2 2009年に中国における労使紛争は前年比30%程度の増加があった。この労使紛争は、労働仲裁により処理されるケースが多いが、その法的効力について必ずしも十分に知られていはいない。すなわち、労働仲裁が商事仲裁のように終局的なものではないが、一部の紛争に関しては終局性が法により付与されいることに関する理解が不十分である。そこで、論文「中国における労働紛争仲裁判断の法的効力」を上梓した。これにより、中国進出日本企業は、紛争処理のメカニズムを理解し、紛争解決の結果の予測可能性を確保することができ、さらに労使紛争の未然防止という効果も期待できるものと考える。
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