2008 Fiscal Year Annual Research Report
土地税制における課税繰延べの法理論と課税繰延べを用いた租税回避防止策の研究
Project/Area Number |
20530027
|
Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
阿部 雪子 Takushoku University, 商学部, 教授 (50299814)
|
Keywords | 課税繰延べ / 組織再編税制 / 土地税制 / 投資の継続性 / 所得の実現 / 認識 |
Research Abstract |
所得の課税時期を先延ばしにするいわゆる課税繰延べは、わが国では土地税制における交換・買換えや平成13年度に創設された合併・分割等の組織再編成税制において一定の要件をみたす場合に認められるが、とくに土地税制の課税繰延べについては、たんに政策的手段とのみ考える傾向が強かったという経緯もあってその理論的根拠については十分には論じられてこなかった。課税繰延べ規定は、租税負担軽減として濫用されうる余地があることに鑑みれば土地税制における資産の交換・買換え等の課税繰延べ規定についてもその理論的根拠を明確にしておくことが今後の土地税制の議論の展開にとっても重要である。 そこで、本年度は、アメリカ連邦所得税制における課税繰延べの理論的根拠を1918年歳入法の内国歳入法典の導入から現在に至るまでの法人組織変更や交換規定に遡り明らかにした。その成果については、国税庁(税務大学校・本校)において、国税庁の職員を対象に「資産の交換と課税繰延べの理論」という題目で研究発表(質疑応答含む)を行う機会が得られた。
|