2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 啓亘 Kyoto University, 大学院・法学研究科, 教授 (80252807)
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Keywords | 国際法学 / 国際連合 / PKO / 地域的機関 / 安保理 / 海賊 / 多国籍軍 / 内戦 |
Research Abstract |
本年度は主として以下の3つの角度から国連の平和維持機能を中心に考察を行った。 第一に、平和維持機能をめぐる国連と地域的機関の間の関係について、資料収集とともにその検討を前年度に引き続き行った。この点では、国連とアフリカの地域的機関(主としてアフリカ連合(AU)と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS))の関係についてリソースなどの面について安保理でも議論がなされていることから、そのフォローを行っているところである。それと平行して、国連と欧州連合(EU)の権限関係等についても、スーダンやチャドの事例などを調査しつつ、検討している。この作業は次年度以降も継続される。なお、シエラレオネにおける国連PKOについて簡単にまとめたものを落合雄彦編『シエラレオネの紛争と平和構築』(仮題)(昭和堂)のI章として来年度に公表することを予定している。 第二に、国連平和維持活動(PKO)における活動原則の規範的展開をあらためて確認するとともに、国連憲章第7章に基づく行動の意味を中心に、現在のPKOの問題の指摘と評価を行った。この検討は、"Legitimization of Measures to Secure Effectiveness in Peacekeeping : The Role of Chapter VII of the UN Charter" in T.Komori & K.Wellens(eds.), Public Interest Rules of International Law. Towards Effective Implementation(Ashgate, 2009)としい公表された。 第三に、日本のPKOへの参加問題につき、具体的事例として国連ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)への自衛隊派遣問題を取り上げ、本来のMINUSTAHの任務と大地震後の復興作業との関連や、自衛隊派遣に関連する国内法との整合性等についての検討を行っている。この考察の成果については、近いうちに『法学論叢』で公表する予定である。
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Research Products
(4 results)