2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウィーン売買条約加盟がもたらす実務的影響の解明とその対応に関する法律学的研究
Project/Area Number |
20530038
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 彰 Kobe University, 法学研究科, 教授 (80205632)
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Keywords | CISG / ウィーン売買条約 / 国際的法調和 / 模擬仲裁 / 国際商事仲裁 / 大陸法 |
Research Abstract |
CISGに関して最近発行された洋書を中心とした書籍及びオンラインデータベースを活用して、CISGの中心部分である物品の契約適合性(38条)に関して、発効後現在に至るまでの解釈及び判例の動向を詳しく分析し、ドイツを中心とした大陸法系の判例学説が主導権を握り解釈論にも解除を抑制し契約継続を重視する傾向が見られることを明らかにした。この成果は国際商取引学会(2009/3/9)において報告された。また同学会や国際ビジネス法務研究会において、実務家の方々とCISGについて意見交換を行った。こうした成果は近く雑誌でも公表する。 2008年11月3日には公開国際シンポジウムGlobalizing Business Lawを同志社大学及び国際商取引学会との共催で開催し、バーゼル大学のSchwenzer教授、リオ州立大学のDomingues教授、米州機構法務官のWilson氏等と、今後の国際的な法調和の進展について意見を交換した。また2009年3月下旬には、アジアにおけるCISGの使用状況については、香港で開催されるCISGを準拠法として用いるTHE ANNUAL WILLEM C. VIS(EAST)INTERNATIONAL COMMERCIAL ARBITRATION MOOTに神戸大学チームのコーチとして参加し、そこにコーチや仲裁人として集まった各国の大学研究者や実務家と情報や意見の交換を行うことができた。また、香港の2つのビジネス法系の法律事務所において聞き取り調査を行った。また、シンガポールの状況について、国際私法の第一人者であるYeo教授(シンガポールマネジメント大学)と複数のEメール交換を通じて、シンガポールでCISGを適用した判決がない原因について詳細な情報を提供していただいた(2008年7月)。 以上の研究活動により、今年度の研究はほぼ実施計画通りに進めることができた。
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Research Products
(3 results)