2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウィーン売買条約加盟がもたらす実務的影響の解明とその対応に関する法律学的研究
Project/Area Number |
20530038
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 彰 Kobe University, 法学研究科, 教授 (80205632)
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Keywords | CISG / ウィーン売買条約 / 国際統一私法 / 国際商事仲裁 / Vis Moot / アジア / 法学教育 |
Research Abstract |
21年度は、特に国際商事仲裁の場面において、CISGがどのように実務及び教育において用いられているかについて、近時域内貿易比率が高まっているアジア圏を中心として調査した。CISG及び国際商事仲裁の教育が各法域の大学法学部及びロースクールを中心にどのように展開しているかについてはアジアにいくつかの大学(マレーシアイスラム国際大学、香港シティ大学、中国・汕頭大学)の関係者と情報交換を行った。また、アジアの中心的な仲裁機関で仲裁人として活躍するMs.Harpole、中国香港を中心にリーガルサービスを提供する香港4番目の規模の法律事務所DEACONS Hong Kong & Chinaから、実務におけるCISGの役割について情報を収集した。中国香港で22年3月に開催された模擬仲裁大会に神戸大学のコーチとして参加した際、世界各地の大学のコーチからCISGの教育に関する情報の提供をうけた。とくに中国・精華大学、アメリカ・Hamline大学、ドイツ・ベルリン大学のコーチ又はメンバーには、CISGに関する具体的な教育や国際商事仲裁という分野に対する次代の法律家達の関心度について、詳細なインタビューについて応じていただいた。 また、LAWASIAのホーチミンでの年次総会(21年11月)では、CISG及び国際商事仲裁に対するアジア諸法域における関心が、EUを中心とする欧州との比較において十分に展開していないことについて報告を行い、とくにベトナム・ホーチミン弁護士会の法律家と、東南アジア諸国におけるCISGへの取り組みの遅れの原因について意見交換を行った。 また以上の調査と並行して、統一私法を成功へと導くために、その起草過程をどのようにデザインすべきかという視点から研究を進め、その成果を21年11月の国際商取引学会全国大会において報告(佐藤育己との共同研究に基づく)することができた。
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Research Products
(3 results)