2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530043
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
金 [ムン]淑 Konan University, 法学部, 教授 (30368469)
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Keywords | 国際私法 / 国連物品売買条約 / ウィーン売買条約 / 国際売買契約 / CISG / 国連物品売買条約の適用範囲 / 準拠法 / 国連動産売買条約 |
Research Abstract |
国連物品売買条約は、ハーグ統一売買法の改訂を目的としたものであり、同法を受け継ぎながら、いくつかの点でそれを修正しているが、条約の適用範囲がその一つであるといえよう。当事者の営業所が締約国に存在しない場合であっても、法廷地の国際私法規定により締約国法が準拠法とされる場合には、条約の適用を認めており(1条1項b号)、条約の適用範囲を当事者の営業所の所在する締約国間の国際売買以外にも拡張されることになる。 同条約は、締約国は1条1項b号に拘束されない旨の宣言ができると規定しているため(95条)、法廷地の国際私法によって指定された準拠法の所属国がそのような宣言をしている場合、締約国である法廷地の裁判所は、条約を適用すべきかあるいは準拠法所属国の国内法を適用すべきかが問題となる。この点につき同条約の規定は必ずしも明らかではない。 これと関連して、国際的私法関係について取引が頻繁に行われ、同条約の締約国である韓国の国際私法(2001年全面改正)について研究を行った。日本における国際私法の主要法源である「法の適用に関する通則法」(2006年法例の全面改正)との比較を通して、両国の国際私法規則が国際的判決調和の観点から国際的法統一へ向かっていることを検討した。 この研究を土台にし、国連物品売買条約についての締約国である両国における同条約の適用をめぐって、国際私法規定との関連に着目し、さらに研究を展開することにその意義があるといえよう。
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