2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530049
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中窪 裕也 Hitotsubashi University, 大学院・国際企業戦略研究科, 教授 (90134436)
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Keywords | アメリカ労働法 / 安全衛生 / 労災補償 / 労災保険 |
Research Abstract |
本研究は、労働者の安全・健康の確保および労働災害に対する補償の法システムについて、アメリカ合衆国と日本を比較しながら検討するものである。2年目にあたる平成21年度は、第1に、平成20年度に引き続き、アメリカの制度に関して図書やインターネット資料を通じて資料収集を行い、今日の状況を整理するとともに、特に室内空気やエルゴノミクスに関する基準作成の失敗の経緯や、いくつかの州における州営労災保険基金の民営化の動きなどをした。これらの成果は、拙著『アメリカ労働法』の第2版の該当部分の中に反映されている。第2に、アメリカの現地調査として、マサチューセッツ州の労災保険担当部局を訪問し、同州の制度の仕組みや運用、州法の特徴、重要な判例などについて情報を得た。また、コロンビア大学のランス・リープマン教授とも面談し、雇用法リステイトメントの作成の動きや健康保険制度改革の影響なども含めながら、情報と資料の収集を行った。第3に、日本の制度について、判例の動きをフォローするとともに、審議会の部会委員として「業務上疾病」に関する労働基準法施行規則の改訂に関与する機会を得た。また、兵庫県および大阪府の労働局等を訪問して現場の担当者と意見交換を行った。また、以上のほか、本研究の周辺に位置する関連研究として、アメリカにおける仕事と家庭の両立や失業保険の問題についても論考を発表した。
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