2009 Fiscal Year Annual Research Report
「後期年少者」の法的地位に関する研究―15歳の自律・25歳の支援を中心に
Project/Area Number |
20530068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大村 敦志 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (30152250)
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Keywords | 未成年者 / こども / 自律 / 支援 / 民法 |
Research Abstract |
今年度は、「後期年少者」のうち未成年者(準成年者)につき、その自律の可能性を探った。実際の作業としては、15歳から18歳までの年齢の者たち(高校生)が、学校生活の中で自分たちの自律の能力を養う機会となる課外活動(特別活動)として、生徒会活動のほかに、運動会・文化祭・修学旅行の3つを取り出して、その歴史と現状について概観するとともに、いくつかの学校でインタビューや調査を試みた。具体的には、麻布高校(私立・男子・東京)、大妻高校(私立・女子・東京)、新宿高校(公立・共学・東京)、千葉高校(公立・共学・首都圏)、兵庫高校(公立・共学・関西)に取材のお願いをし、その結果をとりまとめて、分析を加えた。この作業は、ロースクールのゼミ生たちの協力を得て、2009年4月から7月までの間に行い、その成果は、2010年3月に羽鳥書店から『18歳の自律-東大生が考える高校生の「自律プロジェクト」』として出版した。この作業を通じて、いくつかの課外活動を「自律プロジェクト」としてとらえることができること、プロジェクトのあり方は学校によって多様でありうること、「自律」については複数の考え方がありうるかこと、などが明らかになった。プロジェクト成功の条件やそれが生徒にもたらす影響などについては明示的な分析を行うに至らなかったが、上記出版物を通読すると、これらの点についても一定の示唆が得られるものと思う。なお、今回の調査を通じて、その計画や実施につき次年度に注意すべき点も明らかになった。また、次年度の課題もより明確にすることができた。
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Research Products
(1 results)