2008 Fiscal Year Annual Research Report
リベラルアーツとしての民法学の教育研究方法論の研究
Project/Area Number |
20530078
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
内田 勝一 Waseda University, 国際教養学術院, 教授 (10063794)
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Keywords | 民法 / 外国法 / 法学教育・法曹論 |
Research Abstract |
1本年度はアメリカを対象として、学士課程における法学教育の現状と課題について検討した。一方で、アメリカの学士課程における法学教育についての関連文献を収集し、その分析を行った。他方、夏期休業期間を利用して、各大学を訪問し、学士課程における法学教育のあり方について研究をしている中心的な研究者に対してインタビュー調査を行った。 2その結果、アメリカにおける学士課程法学教育には、以下の4つの類型があることが判明した。 (1)ロースクールへの進学を希望している学生に対して、法律学の科目を事前に教育する「プレ・ローモデル」。教員が法曹資格を有しているか、コースの完成度合いはどの程度かは各大学により異なる。 (2)リベラルアーツ大学において法律家養成とは無関係に、法律学を独自の価値を有するリベラルアーツ科目として教育する「リベラルアーツモデル」。当該大学及び学生がリベラルアーツ教育を重視しており、独自の学科を設置する財政的余裕がある場合に、可能となる。 (3)法学以外の学問分野における法の把握・理解を対象として、既存の教員が専門とする学問分野の法学への応用としてカリキュラムを設置する「学際モデル」。既存教員に法学関係科目を教育させるものであり、特別の学科を作る必要はなく、担当教員は自己の所属する学科、学問に忠実であり、法律学者としての自覚はない。 (4)ジュニアカレッジやコミュニティカレッジにおいて刑事司法プログラムとして設置され、刑務所職員、警察官を希望する学生が履修する「職業教育モデル」。
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