2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530085
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Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
井上 能孝 中村学園大学, 流通科学部, 講師 (60441721)
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Keywords | 組合的規律 / 有限責任 / 持分会社 / パートナーシップ / リミテッド・ライアビリティ・カンパニー / パートナーシップ会計 / のれん / 利益分配 |
Research Abstract |
本研究の目的は、組合型事業体(持分会社、各種組合契約等)の内部関係を規律する「組合的規律」の内容を吟味し、法理論上及び実務上の問題点を明らかにすることにある。特に、近時創設された合同会社や有限責任事業組合の模範となったアメリカのLLC/LLPとの比較を行うことにより、有限責任確保のための手法と責任の範囲についての相違を明らかにし、その原因を分析することを大きな目的としている。 まず、本研究の最初の業績である「NCCUSLにおけるパートナーシップ型事業体の変遷と主な論点の分析」では、アメリカのパートナーシップ型事業体が、現代的な事業体としての安定性が希薄な出資者の集まりとして集合体理論を基礎にしていた時代(1910年代~1980年代)からとしてではなく、より法人としての色彩が強い事業体理論へと変遷を遂げ、改訂統一LLC法が成立するまでの議論を追った。特に、本稿は現行の2001年統一リミテッド・パートナーシップ法に関して、邦語で詳細に解説した初めての文献である。 次に、第二の業績である「米国改訂リミテッド・ライアビリティ・カンパニー法の概要と分析」では、アメリカのLLCが税法上法人課税回避のための制約から解放され、より自由な内部構造の設計が可能になり、シリーズLLC(LLC内LLC)等の新たな議論や生じていることなどを明らかにした。また、本稿は現行の2006年の改訂統一LLC法に関して、邦語で詳細に解説した初めての文献でもある。 第三の業績である「アメリカのパートナーシップ型事業体における利益分配と退出の仕組みと法理」では、GP/LP/LLCに関する統一法の条文を基に、これらの組織内部における損益分配と退出の仕組みについて明らかにした。本稿が明らかにしたパートナーシップ型事業体の会計実務に関しては、邦語で詳細に記述したものはあまりなく、統一法の条文に沿って解説した初めてのものである。
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Research Products
(3 results)