2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530087
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 將文 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90345835)
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Keywords | 知的財産法学 / 国際経済法学 / WTO協定 |
Research Abstract |
本研究は、特許制度等の知的財産制度と、開発(Development;特に発展途上国の経済発展を指す。)との相互関係について分析するとともに、開発に資する知的財産法制のあり方について検討を行うものである。平成22年度においては、次のような問題について検討を行った。 (i) WTO(世界貿易機関)又はWIPO(世界知的所有権機関)において、先進国と途上国が対立する知的財産関係の争点を素材として、分析・検討を行った。具体的には、(1)WTOにおける非違反申立制度(ノン・バィオレーション申立)の取扱い、(2)生物多様性条約と知的財産制度の関係、(3)著作権の権利制限、(4)知的財産権のエンフォースメントに関する条約上の義務、(5)新しい形態の商標の保護等のテーマである。これらに関する研究成果については、国際シンポジウム等で報告するとともに、論文を執筆した。 (ii) 特許制度について、各国の発展程度や産業構造の特徴等を踏まえた国内制度を許容する国際的フレームワークのあり方について、検討を行った。その成果を踏まえ、我が国の制度のあり方についても検討を行い、日本工業所有権法学会の研究大会において報告を行った。 (iii) 不正競争防止法制について、国際的フレームワークの発展経緯及び主要国の動向を調査・分析した。その関連で、途上国の専門家に対する研究報告及び講義を行った。 (iv) 研究期間の最終年度として、研究成果の全体について取りまとめを行った。 (v) 本研究の成果は、我が国では比較的研究が少ない知財と開発の問題について、広範な分野における数多くの具体例をとりあげつつ、集中的に検討を行ったものとして、学術的及び実務的に一定の意義を持つものである。
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Research Products
(5 results)