2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530109
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宗前 清貞 University of the Ryukyus, 法文学部, 准教授 (50325825)
|
Keywords | 政策過程 / 医療政策 / 病院改革 |
Research Abstract |
今年度は昨年に引き続いて医療問題の整理として、社会問題や政治争点として社会的にどのような認知の過程をたどり定着したのかについて、一般向け文献から伺える争点構造の分類などを行いつつ、病院経営に関する知見(特にそうした経営能力が重要であり、かつ得難い専門領域であることに注目した言説)がどのように医療界において受容されていったのかを、文献を中心に情報収集し、その生成過程について分析を行った。 また、対人サービスであり、専門性を媒介とした情報の非対称性が生じやすい点で類似政策分野と考え得る教育行政における知見を積極的に収集し、そうした分野において研究発表と質疑応答を中心とした研究交流に取り組むなど心がけた。なお、この交流の成果は国立教育政策研究所調査研究報告書《近刊》に所収される予定である。加えて、この問題に関する中間報告を2009年5月の日本行政学会(広島大学)において発表し、種々の批判を仰ぐに至った。総じてこの報告には学術的な関心が集まっており、その結果本報告は学会企画委員会による選択で同学会の全研究報告より特に選ばれ、学会年報(学会中央誌)に招待執筆された。年報は来たる5月中旬に公刊される。 現時点では、昭和20年代ないし30年代の初期病院政策制定期におけるイメージ把握に腐心しているが、中曽根政権期に端を発した行政改革期における財政規律志向と病院政策に関する全体像の関係についてほぼ理解を固めつつあり今年度終盤にかけて複数の媒体に発表する論稿でこうした成果を公刊できるものと見通している。
|