2010 Fiscal Year Annual Research Report
市場化と規制化の日英政策比較:指定管理者制度とEAZ・CA
| Project/Area Number |
20530124
|
|---|
| Research Institution | Ritsumeikan University |
|---|
Principal Investigator |
小堀 眞裕 立命館大学, 法学部, 教授 (70253937)
|
|---|
| Keywords | アカデミー / 市場化 / 民営化 / イギリス / サッチャー |
|---|
| Research Abstract |
ブレア政権の下で新設された教育機関である「アカデミー」の成果に関して、研究し、下記の『包摂と排除の比較政治学』において、一つの論文としてまとめた。なお、その「アカデミー」の展開と、保守党、労働党、自民党などのイギリスの主要政党の志向の展開に関して、比較政治学会で報告を行い、その成果を『立命館法学』においてまとめた。
「アカデミー」に関しては、貧困地域における教育政策の明確な変化をわずかながらであるけれど生み出したという側面があるが、その一方で、その変化も、成績の悪い生徒や障害のある生徒の排除によって行われたのではないかという指摘も存在している。市場を通じての教育の改革という取り組みが有効であるという明確な議論はなかなか困難であるといえる。その一方で、イギリスにおいては、保守党・労働党・自民党など各党の政策はおおむね一致してきており、大きな方向性で、変化はない。
ただ、ブレア政権の場合、成績のよくない低所得地域の学校を、閉校・民営化するなどする場合でも、あくまでターゲットの達成という指標が存在している点については、日本の場合の民営化や民間委託とは異なる点であり、教育に対する支出という点でも、実額において1・5倍化するなど、重点としての投資を行ってきたことも明らかであった。
|
