2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Marketization and Regulation : Comparison between British cases and Japanese ones.
Project/Area Number |
20530124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
KOBORI Masahiro Ritsumeikan University, 法学部, 教授 (70253937)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | アカデミー / 市場化 / 民営化 / イギリス / サッチャー |
Research Abstract |
イギリスのブレア政権において、規制化の特徴が最も現われているのは、教育分野の政策である。その教育分野におけるブレア政権の政策や、その背後にある思想をまとめるために、「中等教育政策に関するブレアの思想-Opportunity For Allの実現に向けて-」を執筆した。また、市場化という点では、ブレアは、教育や投票などにおいて、積極的に自由化を促進し、有権者や受益者の声に積極的にこたえようとする政策を展開した。その特徴が良く出ているのが、ブレアの政治参加に関わる政策である。その点について、坪郷實編著『比較・政治参加』では、筆者がイギリスの部分を担当したので、とくにブレア政権期の政治参加についてまとめた。また、その政治参加の中でも、レファレンダム(国民・住民投票)に関しては、Ritsumeikan Law Reviewで、"Referendums in Britain and Japan"としてまとめ、日英のレファレンダムの特徴や違いを明らかにした。本年は、4年の研究期間の第一年目であり、そのほか、規制化と市場化の特徴について、日英の基礎的文献を検討しながら蓄積を行った。とくに、日本の場合の「規制」観は、規制の量的有無に関わる議論しかなく、非常に一面的であることが分かってきた。その一方で、昨年9月のリーマン・ショック以降、各研究者や政治家の言説の変化が見られ、規制=悪という決め付けは減ってきたが、それでも、規制をその多寡のみでしか語れない単線的傾向は依然として残っている。一方、イギリスでは、規制は、単線的な理解をされていない。むしろ、市場と規制は親和性を持つという理解があり、日本のように、規制が進めば市場が交代するという一面的理解には立っていない。ただし、イギリスでも、その規制の概念自体は必ずしも豊富ではない。
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Research Products
(6 results)