2010 Fiscal Year Annual Research Report
途上国におけるローカル・ガヴァナンスとアソシエーションとのシナジー型発展の研究
Project/Area Number |
20530125
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
松下 冽 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (50229465)
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Keywords | ケーララ・モデル / ピープルズ・プラン / ローカル・ガヴァナンス / 「国家-市民社会」関係 / アソシエーション / 参加型自治 / シナジー型 / パンチャーヤト |
Research Abstract |
本研究の目的は、メキシコ、インド、ブラジルの3カ国におけるローカルな分権化の諸実験を比較検討し、それを踏まえて「シナジー型ローカル・ガヴァナンス」の理論的枠組みを提示することにあった。メキシコについては昨年3月に『現代メキシコの国家と政治-グローバル化と市民社会の交差から-』(御茶の水書房)を出版し、本研究の成果の一部を反映させた。そこで、平成22年度の中心的な研究対象国はインドとブラジルに設定され、具体的成果もこの2カ国に関するものとなった。 第1に、インド・ケーララ州トリヴァンドラムで現地調査(平成22年3月6日~13日)とCentre for Development Studies (CDS)での資料収集の結果を中間的な研究成果として公表した。具体的には、下記の論文、「民主的ローカル・ガヴァナンスとシナジー型「国家-市民社会」関係-インド・ケーララ州が提起する課題」(上・下)である。この論文はケーララにおける社会運動の歴史的展開を踏まえて、「ケーララ・モデル」を認識し、「ピープルズ・プラン」の位置づけと意義を分析した。 第2に、ブラジルのサンパウロとポルト・アレグレを訪問し(平成22年9月1日~8日)、サンパウロ大学およびリオ・グランデ・ド・スール連邦大学(UFRGS)の研究者と参加型自治の現状と諸課題およびアソシエーションとの関連性について意見交換した。両都市にはこれまでの2回の現地調査を行ったが、今回でさらに新たな人的ネットワークの構築と資料収集ができた。 ブラジルについてはこれまでも若干の研究成果を公表してきたが、今回の調査により、メキシコとインドを含めた三カ国を対象とするローカルな分権化の比較検討とそれを軸にした「シナジー型ローカル・ガヴァナンス」の理論的枠組みを提示できると考えている。
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Research Products
(3 results)