2009 Fiscal Year Annual Research Report
平成の大合併後における複線型自治制度の実態と府県機能に関する実証研究
Project/Area Number |
20530127
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Research Institution | Kochi Junior College |
Principal Investigator |
水谷 利亮 Kochi Junior College, 社会科学科, 准教授 (00310897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 和久 立命館大学, 政策科学部, 教授 (70259654)
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Keywords | 府県出先機関 / 複線型自治制度 / 府県機能 / 小規模町村 |
Research Abstract |
1.研究の成果の具体的内容 (1)小規模町村数の多い長野県・高知県、「四国州」に該当する愛媛県・徳島県・香川県、府県出先機関の役割・機能が大きい山形県・岩手県などにおいてヒアリング調査と資料収集を行い、府県出先機関の組織編成の方針や組織改正の要因、府県の出先機関のあり方と本庁・市町村・地域との相互関係などについて比較分析し、わが国の複線型自治制度の実態と府県機能の現代的あり方の一端を明らかにした。 (2)わが国の自治制度における府県機能のあり方と、府県制度における府県出先機関とくに総合型出先機関の役割・機能に関して政策形成過程と予算編成過程において調査・分析を行った。 2.研究の成果の意義と重要性 (1)本研究の成果には、複線型自治制度において、府県出先機関が主要なアクターの1つとして機能していることに注目しながら、府県の果たす機能・役割に占める府県出先機関とくに総合型出先機関の機能・役割の大きさとそのあり方を検証する重要性があり、行政学と財政学における地方自治研究において新たな視点を提供する意義がある。 (2)大都市圏の府県と比べて小規模町村数の多い地方の府県では、府県出先機関の果たす機能・役割が大きい実態を分析しながら、地域の多様性に対してわが国の地方自治制度がもつ柔軟性と可能性を指摘し考察する重要性がある。それは、安易な道州制導入論を批判的に考察する素材を提示する意義がある。
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