2010 Fiscal Year Annual Research Report
復興・開発援助外交とアジア地域秩序の形成-フランスのベトナム戦後援助構想-
Project/Area Number |
20530134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鳥潟 優子 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (60467503)
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Keywords | 外交史 / 国際関係史 / アジア / 復興援助 / 戦後秩序形成 / フランス外交 |
Research Abstract |
研究の目的 本研究は、1960年代末から70年代前半にかけて、ベトナム戦争終結後のアジア地域秩序を見据えて、米仏など西側陣営の主要国間で展開された、ベトナムの戦後復興・開発援助をめぐる国際関係の歴史的展開を実証的に分析することであった。この事例分析を通じて、復興・開発援助の国際関係をドナー(援助国)側から分析するための理論的視座を提供することを目指していた。 2010年度は当初の研究計画に基づいて、まず、前年度フランスで着手したフランス大統領府文書及び大統領府スタッフの個人文書の調査を完了させた。昨年度、学会で報告を行ったフランス外交におけるマルチ外交の位置づけの検証を踏まえて、フランス大統領府及び外務省の外交戦略全体と対米政策全体を俯瞰しつつ、学術雑誌に掲載できる論文としての完成を目指した。(また、英語での研究成果として、Yuko Torikata, "The US Escalation in Vietnam and de Gaulle's Secret Search for Peace"in Christian Nuenlist, eds. Globalizing de Gaulle(Lexington Books, 2010), pp. 155-179として公表した。)さらに、ベトナム戦後復興をめぐるアメリカをはじめとする西側諸国の間での政策面の競合・協力は、いかなるものであったのか、引き続き英米などの西側各国の外交政策を調査し論文としてまとめる作業を進め、中間報告として2010年10月に関西フランス史研究会にて研究報告を行った。
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