2008 Fiscal Year Annual Research Report
トランスナショナルな市民社会が金融機関の投資行動に与える影響と規範形成過程の分析
Project/Area Number |
20530139
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
目加田 説子 Chuo University, 総合政策学部, 教授 (00371188)
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Keywords | 市民社会 / 金融機関 / 投資 |
Research Abstract |
本研究「トランスナショナルな市民社会が金融機関の投資行動に与える影響と規範形成過程の分析」を遂行するにあたり、20年度は下記の研究を行った。 先ず、文献中心に企業の社会的責任(CSR)及び社会的責任投資(SRI)に関する概念整理を行った。取分け、概念の変遷と現状掌握を心がけた。その上で、トランスナショナルな市民社会が関わる具体的事例の抽出を行い、本年についてはニュージーランドにおける現地調査を実施した。 研究成果については、「非人道兵器と社会的責任投資に関する考察--クラスター爆弾を事例に--」として論文にまとめた。本論では、CSR及びSRIという概念の変遷と非人道的兵器の関係について、歴史を遡り検証を行った。その上で、現在進行形で非政府組織(NGO)が取り組む活動について、特にニュージーランドに焦点を充てて考察した。また、本論では、1.金融機関による「利潤の追求」と「倫理的価値を含むSRI」という、一見相反する原則が実質的には両立可能であること、2.倫理的許容基準は多分に個別金融機関による価値観が反映されるということ、3.金融機関の投資行動は条件付であるものの、NGO等の影響力が一定範囲内で及ぶこと、の諸点を明らかにした。 また、2009年3月21日〜22日に名古屋大学にて開催された日本NPO学会の第11回年次大会にて「非人道的兵器産業への投資規制とCSOの役割」と題した報告を行った。
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