2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530143
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
高原 秀介 Kyoto Sangyo University, 外国語学部, 准教授 (40440870)
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Keywords | 政治学 / 西洋史 / アメリカ外交史 / 日米関係史 / 国際関係史 |
Research Abstract |
本研究は、3年間に亘る長期プロジェクトである。2年目にあたる平成21年度は、平成20年度からの研究に引き続いて、アメリカにおけるウィルソン外交研究の動向を、より包括的に整理・再検証することを研究の最優先課題とした。そのための基礎的研究作業として、本年度は当該テーマに関わる研究資料・一次史料の収集を行うとともに、研究報告を中心に以下の2点の成果を得た。 第1の成果は、軍事史学会・関西支部において、ウィルソン政権の対日政策と同政権による地域に対する政策の関連について研究報告を行ったことである。報告の内容は、主に第一次世界大戦前後のアメリカの対日政策に関するものであったが、報告の中で対ヨーロッパ政策や対ロシア政策に関する既存の研究や最新の研究動向を紹介することができた。 第2の成果は、本務校に設置されている世界問題研究所のシンポジウムにおいて、「覇権国家アメリカ」と題する研究報告を行ったことである。3年間に及ぶ学内研究プロジェクトの主題は「帝国・地域・国家」であり、報告者の担当領域はウィルソン外交の特徴を軸にアメリカ外交の伝統を考察することであった。報告では、20世紀以降のアメリカ外交の歴史的系譜を踏まえつつ、冷戦終結後から現在に至る現代アメリカ外交の現状と課題について問題提起を行った。 平成22年度は、本研究プロジェクトの最終年度となる。本年度は、これまで従事してきたアメリカにおけるウィルソン外交研究の動向調査による成果を整理するとともに、第一次世界大戦終結前後に世界を揺るがせた「ウィルソン主義」の受容と反発をめぐって、日本側の動向に焦点をあてながら、他地域の事例とも比較しつつ、原史料の調査を踏まえた実証的分析を試みたい。
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