2008 Fiscal Year Annual Research Report
貸出契約とリスクの分散:証券化・シンジケートローン・メインバンク
Project/Area Number |
20530152
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小佐野 広 Kyoto University, 経済研究所, 教授 (90152462)
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Keywords | 貸出契約 / 証券化 / シンジケートローン / メインバンク / メイン寄せ |
Research Abstract |
本研究では、(i)貸出債権の証券化、(ii)シンジケート・ローンの組成、(iii)企業の状態が悪くなれば「メイン寄せ」が生じるようなメインバンク貸出関係、という金融機関が融資リスクを分散する際の代替的な三つの手段を、ある程度、包括的にとらえられるようなモデルを設定する。その上で、どのような条件のもとで、どのような契約構造によって特徴づけられる貸出方法が最適になるのか、また、社会的な効率性の上からそのような貸出方法はどのように評価されうるのか、という点を明らかにすることが主たる目標となる。さらに、今後の日本の銀行貸出市場におけるメインバンク関係のあり方をどうすればよいのか、という問題も明らかにすることも重要な目標となっている。平成20年度は、まず、期間が数期間の静学的な契約理論モデルを構築する。その際、最初の段階のモデルとしては、証券化を伴う投資銀行型モデルと「メイン寄せ」を伴うメインバンク貸出契約モデルの構築から出発した。理論的な解析を行って、均衡の性質や経済厚生、およびそれらの実証的インプリケーションに関して、定性的な結論を得ることができた。その結果を証券化モデルは英語論文、メインバンクモデルについては、より精緻な英語論文とより包括的な日本語論文の二つの形にまとめた。英語論文に関しては、国際的なジャーナルに投稿する一方、日本語論文に関しては、平成21年度中に、国内雑誌に掲載する予定である。
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Research Products
(2 results)