2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530170
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
中宮 光隆 Prefectural University of Kumamoto, 総合管理学部, 教授 (80155811)
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Keywords | シスモンディ / ピエール・プレヴォ / エティエンヌ・デュモン / 『ビブリオテーク・ブリタニク』 / ベンサム / 功利主義 / マッキントッシュ / ピクテ・ド・ロシュモン |
Research Abstract |
平成21年度は,資料収集を行うとともに,現時点での研究成果に関する論文を執筆し公表した。資料収集は主として以下の3カ所で実施した。(1)ジュネーヴ大学公共図書館(スイス・ジュネーヴ)ではシスモンディと彼の周囲の人々,とりわけピエール・プレヴォ,エティエンヌ・デュモン等の書籍・雑誌記事・手紙等を閲覧し,約900ページのコピーをとった。これらから,プレヴォやデュモンとはいかなる人物か,さらにシスモンディとプレヴォやデュモンとの関係はいかなるものであったかについて,多少の理解を得ることができた。さらに,プレヴォとD.ステュアートやマーセット婦人との交友関係も鮮明になり,ジュネーヴとイギリスとの知的交流,それらがまたシスモンディに与えた影響も次第に明らかになりつつある。同図書館で閲覧しあるいはリストアップした文献の一部を帰国後入手した。これらの内容の検討は今後の課題である。(2)大英図書館(イギリス・ロンドン)では上記の人々に加え,バンジャマン・コンスタンに関する資料を収集した。この点の研究は未完了であるが,英仏間の知的関係を知る手がかりのひとつとして重要である。(3)我が国で唯一『ビブリオテーク・ブリタニク』誌を所蔵する天理大学図書館(奈良県天理市)で同誌を閲覧し,プレヴォやピクテ・ド・ロシュモンの執筆によると思われる多数の論文をコピーした。今後,他の諸巻も含めた内容の検討を行う予定である。これらは,シスモンディの経済思想が,西ヨーロッパ各地に広く広がる彼の周囲の人々との交流のなかで育まれたこと,したがってそのようなパースペクティブで経済思想や経済理論の系譜を跡づける必要があるとの私見を証明する有力な論拠のひとつとして重要であると思われる。これらの研究成果について,別記の通り論文を執筆し公表した。
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