2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530178
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
舟岡 史雄 信州大学, 経済学部, 教授 (50143962)
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Keywords | 産業分類 / 経済統計 / 企業活動 |
Research Abstract |
企業の組織と活動成果の関係を分析し、企業を対象とした産業格付けの基準を検討した。第1段階で法人企業統計の個別データにもとついて、産業の特性とマージン率(売上高総利益率)の関係を分析した。企業を産業格付けする際、企業活動の実態の把握において企業規模を示す変数として従業員と総資産を分類基準として使用することが有用であるとの結論を得た。第2段階では、平成16年、14年の商業統計と18年、16年事業所企業統計のデータリンケージを行い、卸売業、小売業の分野において企業の産業格付けに店舗展開と取扱商品の多様化がどのように関係するかを分析した。16年は事業所企業統計調査と商業統計調査が1枚の調査票で同時実施されているが、16年商業統計は簡易調査であるため3品目の販売額しか調査していないので、詳細調査年である14年の品目別販売額の情報を利用する必要がある。また、企業ごとに本社と支社を名寄せした正確な情報は18年事業所企業統計に拠らざるを得ない。そのため、18年と16年の事業所企業統計の事業所のパネルデータを作成し、18年調査の各事業所に付された企業コードを16年調査に移管した。そこから商業統計の対象である卸売業、小売業についてのみ抽出し、16年商業統計の対象事業所に企業コードを与えた。さらに、16年と14年の商業統計の対象店舗のパネルデータを作成し、14年調査に企業コードを移管した。最後に、企業コードに従って同一企業の店舗を名寄せし、企業全体の品目別販売額を算出し、企業属性やマージン率等とのリンケージを完成させた。マージン率の分布は取扱い商品の多様性によって大きく相違し、取扱い商品の多様性をコントロールした下でも、単一店舗企業に比べて複数店舗企業のばらつきは大きいことが明らかとなった。以上、企業の産業分類の基準を考える際、企業規模と多角化の程度が重要な要因であるとの分析結果を獲得している。
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