2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530180
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
羽森 茂之 Kobe University, 経済学研究科, 教授 (60189628)
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Keywords | パネルデータ / 非定常時系列 |
Research Abstract |
「非定常パネル時系列データの計量分析」は近年急速な展開がみられる分野の一つであり、時系列的に得られる標本の大きさが小さい場合には、有益な計量分析手法である。 平成20年度は、本研究プロジェクトの初年度にあたり、全体的計画遂行のために必要な戦略を練り上げながら、準備を行うことを目的とした。特に、重視したのは、次の4点である。(1)関連分析のサーベイ、(2)データの収集、(3)分析対象のしぼりこみ、(4)計量分析手法の吟味。 本年の大部分は、基本的な準備作業にあてられたが、その中における研究成果としては、当初の分析目的の一つであった「非定常パネス時系列分析において用いられている格種の推定・検定方法を実際のデータ(ユーロ地域や発展途上国等)に対して応用する」ことにより一定の成果をあげることに成功した点を挙げることがてきる。 Ahmed and Rogers(1995)は1カ国財政赤字の持続可能性について分析を行った。本研究プロジェクトは、その分析を多国間の財政赤字の持続可能性の分析へと枠組みを拡張した。具体的には、1999年から2005年のユーロ地域の11カ国のデータを用いて、財政赤字の持続可能性の問題を、非定常パネル時系列分析の手法を応用して分析した。その結果、この地域において財政規律のルールは機能しており、財政赤字は持続可能であることが明らかとなった。
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