2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530180
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
羽森 茂之 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (60189628)
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Keywords | パネルデータ / 非定常時系列 |
Research Abstract |
平成22年度の研究成果としては、当初の目的であった「非定常パネル時系列分析において用いられる推定・検定方法の統計学的分析」及び「非定常パネル時系列分析の実際の経済データへの応用」の2点に関して、それぞれ各1本ずつの論文を執筆することができた。そこで得られた新たな知見は、以下のとおりである。 (1)非定常パネル時系列分析の手法を、米国の家庭用電力小売市場のデータに応用し、小売電力需要関数の分析を行った。州を断面とした四半期データからなるパネルデータを用いて、各弾性値を推定し、市場自由化の前後および自由化導入州と非導入州で分析結果を比較・検証した。その結果、(i)各変数は単位根を持つこと、(ii)各変数間に共和分関係が成立していること、(iii)規制緩和政策が価格弾性値に影響を与えていないこと等が明らかとなった。 (2)Pesaran(207)によって提唱されたCIPS検定に関して、小標本において不均一分散の検定のサイズに与える影響をモンテカルロ実験によって分析した。その結果、(i)idiosyncratic errorに関する無条件の不均一分散の存在はCIPS検定のサイズに対してunder-size distortionの効果を持つが、その条件付き分散不均一性の存在は、CIPS検定のサイズに対してover-size distortionの効果を持つことが明らかとなった。
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