2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530188
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部 由起子 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (50264742)
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Keywords | 経済政策 / 女性労働 / 所得分配 |
Research Abstract |
本研究の平成22年度の主な研究成果は以下の3点である。第1に、男女雇用機会均等法が女性の就業に与えた影響について、1987年から2007年(5年ごと)のデータを用いて実証的に検証した論文を公刊した(Yukiko Abe"The Equal Employment Opportunity Law and labor force behavior of women in Japan,"Journal of the Japanese and International Economies,2011)。そこでは、均等法施行以降に学校を卒業し労働市場に入職した世代(均等法世代)について、30歳代までの大卒女性の正規雇用就業は増えたものの、40歳代での正規雇用就業率(人口に占める正規雇用就業者の割合)は均等法施行以前に労働市場に入職した世代と大きくは変わらないこと、配偶関係別には、均等法世代の正規雇用が増加しているという傾向は大卒女性についてもほとんどみられないことを示した。第2に、東京都に居住する女性には正規雇用就業者が多いのに対し、埼玉県・千葉県・神奈川県に居住する女性にはパート雇用者がより多いという実証的事実を説明する理論モデルを提示した論文を公刊した(Yukiko Abe"Family labor supply,commuting time,and residential decisions:The case of the Tokyo Metropolitan Area"Journal of Housing Economics,2011)。第3に、山形県から島根県にかけての日本海側の地域で女性の就業率が高い要因を実証的に検討した。その結果、日本海側地域では子どもをもつ有配偶女性の正規雇用就業の割合が高いことが、この地域の特徴であることがわかった。
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Research Products
(7 results)