2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530196
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 勝 Osaka University, 社会経済研究所, 准教授 (10340647)
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Keywords | 労働市場 / 安全衛生 / マッチング関数 / 長時間労働 / 失業 |
Research Abstract |
科学研究費交付期間内の研究目標は、(1)経済学的観点から、労働時間の長期化の選択と格差拡大、労働時間と労働者数とのトレード・オフの関係を解明し、(2)『職業安定業務統計』(厚生労働省)や『労働力調査』(総務省)のデータ等を使用して失業率に関する実証分析(マッチング関数の推定)から地域間での就職確率の違いを検証し、(3)企業規模や産業種類をコントロールした上で、労災発生件数(率)と失業率の相関性と雇用政策の影響について考察することである。これらは、雇用政策の観点から重要な課題であり、それ故に取り組む意義は大きいと考える。特に、労働環境の安全性についてはこれまで労働経済学者はあまり取り組んでいなかった分野であり、研究意義があると考える。本年度の成果としては工藤准教授(北海道大学)との共著"Precautionary Demand forlabor in Search Equi! ibrium"がBulletin of Economic Researchに掲載されることが決定した。また、厚生労働省のプロジェクトとして小原准教授(大阪大)と町北研究員(ジェトロ・アジア研究所)の共著『雇用保険のマイクロデータを用いた再就職行動に関する実証研究』を仕上げた。この論文は職業安定業務統計のマイクロデータを利用し、求職期間を決める要因分析や、ハローワークを利用する前後での賃金変化の比較、ハローワークで紹介された仕事の就業期間からハローワークの効率性を測った。もう1つのプロジェクトの要である労働安全に関する研究では、まだ初稿の段階であるが、論文"Unemployment and Work Safety in a Search and Matching Mode1"を作成し、国際学会や国内セミナーで報告をした。来年度は報告で頂いたコメントをもとに更に書き直す予定である。
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Research Products
(6 results)