2009 Fiscal Year Annual Research Report
FTA・EPAと地域経済-国際的・地域的影響の計量分析
Project/Area Number |
20530204
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
板倉 健 Nagoya City University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (90405217)
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Keywords | 国際経済学 / 計算可能な一般均衡分析 / 地域間産業連関表 / 貿易政策 / 自由貿易協定 |
Research Abstract |
1990年代以降、自由貿易協定(FTA: Free Trade Agreement)や経済連携協定(EPA: Economic Partnership Agreement)が急速に増加し、経済的な影響の分析が活発に行われている。その多くは、多地域・多部門の計算可能な一般均衡(CGE: Computable General Equilibrium)モデルを利用した政策シミュレーションによる分析である。現在利用が可能である多地域・多部門のCGEデータベースは113地域(国)57産業を2004年基準で網羅したデータベースである。この既存データベースの枠組みでは、FTAの影響を各国別・各産業別に試算分析することは可能であるが、国内地域への影響を分析することが困難である。FTAによる我が国全体への影響や産業全体への影響を、地域別(都道府県別)に分析する枠組みを構築するため、地域別(都道府県別)産業連関表を多地域・多部門のCGEデータベースに整合的な形式で組み込む作業を行ってきた。地域別・都道府県別産業連関表とのデータ整合性を保ちつつバランス調整を行うための数値計算での困難さを解決するため試行検討を行っている。 問題解決への非常に大きな手がかりとなる情報が、平成22年3月に経済産業省経済産業政策局調査統計部が発表した「平成17年地域間産業連関表」から入手可能となった。この新しい地域間産業連関表は基準年が2005年であり、統合先のデータベースの基準年に近い利点がある。また、産業分類も53部門であり、統合先の47部門とのバランス調整が比較的容易になると予想される。
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