2010 Fiscal Year Annual Research Report
FTA・EPAと地域経済-国際的・地域的影響の計量分析
Project/Area Number |
20530204
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
板倉 健 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (90405217)
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Keywords | 計算可能な一般均衡分析 / 自由貿易協定 / 貿易政策 |
Research Abstract |
1990年代以降、自由貿易協定(FTA : Free Trade Agreement)や経済連携協定(EPA : Economic Partnership Agreement)が急速に増加し、経済的な影響の分析が活発に行われている。その多くは、多地域・多部門の計算可能な一般均衡(CGE : Computable General Equilibrium)モデルを利用した政策シミュレーションによる分析である。それらの分析の基礎となるCGEデータベースは継続的に更新されている。2008年12月に公開された多地域・多部門のCGEデータベースを本研究では活用してきたが更新された最新版が2010年5月に公開され利用可能となった。地域別産業連関表を利用することで既存のCGEデータベースに整合的な形式で組み込むためにこれまで行ってきた計算プログラミング作業に加えて、その統合先のCGEデータベースの更新が可能な限り自動的に反映可能である計算プログラミング環境の整備を行った。 地域別に分割されたデータベース上で記述される地域家計を推計対象として、所得水準の違いによる消費行動の差異を反映することが可能な需要モデルの推計を行った。需要関数システムはCGEモデルを構成する重要なモジュールであり、現在もその推計とCGEモデルへの組込みを継続して研究している。需要関数システム推計について、CGEモデル開発を行う研究者ワークショップで報告する機会を得た。
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