2010 Fiscal Year Annual Research Report
消費者と小売店舗の異質性を考慮した計量経済モデルの構築と推定
Project/Area Number |
20530206
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
石垣 智徳 南山大学, ビジネス研究科, 教授 (20254443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 長照 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (50214789)
中山 雄司 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (20326284)
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Keywords | POSデータ / ミクロ計量経済学 / ベイズ統計学 |
Research Abstract |
今年度は,(1)消費者の購買行動に関する研究,(2)インターネットオークションデータを念頭に置いた入札者の選好の推定に関する研究,(3)百貨店のID付POSデータを用いた来店・購買意思決定に関する研究を行った。(1)では,消費者の購買連鎖と購買リスクに関する新たな研究であり,従来の研究の枠組みをさらに拡張するための基礎研究と位置付けている。(2)と(3)は,昨年度からの継続研究である。(2)では,独立私的価値の前提の下で落札価格と実際の入札者数のみのデータに対して,データ拡大法を活用したベイズ統計学の手法を用いて入札者の選好を推定する手法を提案した。この手法は,Chib(1992)Journal of Econometricsのトービットモデルのベイズ分析を応用したものであり,潜在的入札者数が未知で最低入札金額が入札会ごとに異なる場合にも適用可能である。また入札者の選好に異質性が存在する場合にも有限混合分布に関する手法を応用することで適用可能である。この研究については2010年9月にイスタンブールで開催されたヨーロッパ産業経済学会において学会報告を行った。(3)では,百貨店のID付POSデータに適用することを念頭に置いて,来店と購買(支出金額)に関する2段階の意思決定を,ハードルモデルやサンプルセレクションモデルの枠組みを用いて,個人別にベイズ推定するプログラムを作成し,人工データを用いてその妥当性を検証する研究を行った。この研究については2011年3月の南山大学マーケティング・サイエンス・ワークショップにて報告を行った。
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