2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本・韓国の金型産業の発展要因および海外展開に関する研究
Project/Area Number |
20530216
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
馬場 敏幸 Hosei University, 経済学部, 教授 (00359663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
河村 哲二 法政大学, 経済学部, 教授 (20147010)
朴 〓玄 法政大学, 経済学部, 教授 (10317654)
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 准教授 (60425725)
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Keywords | 地域経済 / 開発経済 / 日本:韓国:アジア / サポーティング・インダストリー(裾野産業) / 金型・部品 / 技術移転 / 産業競争力 / 人材育成 |
Research Abstract |
本年度は実施計画に基づき現地調査および統計調査を行った。すなわちベトナム・韓国・日本での現地調査と、日韓の金型生産と貿易について統計調査を行った。 ベトナム調査から、従来からの指摘どおり金型産業の技術移転・産業育成が未だ簡単でないと確認された。Moldタイプ金型産業は発展の兆しが見られたが、dieタイプ金型については輸入依存・外資依存の状況であった。 韓国調査では大手自動車メーカーの調達で、moldタイプ金型のみならずdieタイプ金型も含めすべての金型が韓国内調達可能になったと判明した。これは日本での調査でも裏付けがとれた。 統計データに基づく定量分析でも、韓国の金型産業発展が確認された。Moldタイプ金型では韓国の発展は確認されていたが、生産実績からdieタイプ金型でも近年の発展が著しいことが確認された。貿易統計からも、近年日本のmoldタイプ金型の対韓貿易赤字の急拡大が確認された。またdieタイプ金型でも対韓貿易赤字構造に陥っていることが確認された。日本の韓国金型調達先での聞き取り調査からも韓国dieタイプ金型競争力向上が確認された。ただし、日本市場では韓国金型シェアは3%に過ぎず、市場全体に与える影響は大きくないことも確認した。 この韓国の金型産業発展に金型人材育成が大きな貢献を果たしていることが、ソウル産業大学および卒業生への聞き取り調査から類推された。 本年度の調査により、金型産業の技術移転・産業育成の困難性が変容していることが確認された。Moldタイプ金型についてはこれまでもその兆候は見られたものの、dieタイプ金型では困難性は継続され、日本の金型産業競争力の強さは盤石であった。しかし韓国でdieタイプ金型でも競争力向上が顕著であり、dieタイプ金型も技術移転・産業育成が可能になりつつあると確認された。
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Research Products
(4 results)