2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本・韓国の金型産業の発展要因および海外展開に関する研究
Project/Area Number |
20530216
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
馬場 敏幸 法政大学, 経済学部, 教授 (00359663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
絵所 秀紀 法政大学, 経済学部, 教授 (10061243)
河村 哲二 法政大学, 経済学部, 教授 (20147010)
朴 〓玄 法政大学, 経済学部, 教授 (10317654)
近藤 章夫 法政大学, 経済学部, 准教授 (60425725)
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Keywords | 地域経済 / 開発経済 / 日本:韓国:アジア / 金型・部品 / 技術移転 / サポーティング・インダストリー(裾野産業) / 産業競争力 / 人材育成 |
Research Abstract |
1.本年度の大きな目的は研究成果総括と公表である。この目的の下、研究・技術・計画学会の特集号を企画、審査を通過した。裾野産業の役割と貢献、韓国金型産業発展と日本への影響、金型産業とも関連の深い諸裾野産業(ガラス、鉄鋼、工作機械、FPDなど)についても研究分担者や協力者らの研究もとりまとめ、掲載された。 2.国の産業競争力への裾野産業の役割と貢献整理では、裾野産業が国の産業競争力に寄与するとの認識の高まりは開発途上国側、先進国側の双方向のアプローチがあることを明確にした。また途上国、先進国産業への裾野産業の寄与・貢献を明らとした。ここでは金型産業の産業への寄与・貢献も明確に示した。 3.本研究の主目的である日韓の金型産業発展で、統計分析、フィールド調査結果を総括した。貿易統計を主とする統計分析の結果、日本の競争力は海外展開が容易なタイプ(moldタイプ)でやや低下する一方、韓国の金型産業では難易度の高い分野の金型産業(dieタイプ)が2000年代に急速に発展し、国際競争力を高めたことが明らかとなった。フィールド調査に基づくと韓国金型産業キャッチアップは産官学によるキャッチアップ戦略推進が大きな原動力であったことが判明した。そして金型ユーザー企業の海外進出に伴い、韓国金型企業は輸出増加とともに、海外進出も行いつつあることが確認できた。 4.韓国の金型産業発展と日本の競争力との関係について、韓国はキャッチアップ戦略に成功したもののイノベーション志向への転換に苦しんでいることが窺えた。対日金型依存がモジュール化の進展などで対日部品依存に形を変えた可能性も推測された。日本は現状、価格競争力では劣位であるが品質競争力では優位を保っているが、今後とも競争優位を保つためには技術継承、ビジネスモデルの変換、産学連携推進とともにいっそうのイノベーション志向強化が必要と考えられた。
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Research Products
(16 results)