2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530219
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
秋葉 弘哉 Waseda University, 政治経済学術院, 教授 (60138576)
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Keywords | 国際経済学 |
Research Abstract |
研究目的通貨同盟は「大国」であることを念頭に置いて、大国のサイズが、同盟外の国との取引において同盟自身とその外界部諸国の厚生一水準に対してどのような影響を及ぼすかを理論的に解明致すことを目的に致しております。伝統的な経済分析によれば、交易条件に変化を及ぼすことが予想されますが、その厚生上の影響は未だ解明されていないように思われます。本研究では、その解明を目的として研究を継続致しております。 研究方法どのようなモデルを構築するかが私の研究目的には致命的に重要となると認識しておりますので、各種の分析モデルを渉猟することから研究はスタート致しました。近年では、いわゆる新開放マクロ経済モデルの援用が学界の主流になっているように感じました。私も、このモデルで私が解明を目的としている問題に接近できるかどうか、モデル構築の試行錯誤を続けております。明確な分析結果を導出するためには陽表解の導出が必要になると考えまして、陽表解が得られ、厚生水準の変化が比較可能になるようなモデルの構築を試行錯誤しております。多少厳しい諸仮定が必要とるかもしれませんが、出来るだけ一般性を保持するようなモデルへの修正・改訂が、今後の重要な課題であろうと認識致しております。 研究成果現在の新開放マクロ経済モデルを援用し、それを大国モデルのサイズが変わった場合に、モデルの解がどのような変更を受けるかに関してのある程度の目安は付いたように思われました。ただし、それがロバスト性を持つかどうか、また実証的な観点から尤もらしく受け容れられるような解になっているかどうかに関しては、今後、さらに慎重に検討することが必要と考えております。しかし、新開放マクロ経済モデルが応用できそうであるということが判っただけでも、重要な第一歩であり、今後の成果につながるように思われまして、やや自信を持ちました。
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