2008 Fiscal Year Annual Research Report
中・日・韓・米リンクモデルによる環境・エネルギー・経済構造に関するゲーム論的分析
Project/Area Number |
20530223
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
尾崎 タイヨ Kyoto Gakuen University, 経済学部, 教授 (00160846)
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Keywords | 東アジア / 貿易モデル / トランスログ / シミュレーション / エネルギー効率 / 計量経済モデル / 最適制御 |
Research Abstract |
本研究は東アジアの主要国、中でも中国と日本がアメリカや世界とどう経済的な相互依存関係を変化させてきたか、計量経済モデルを作成し、相互依存関係のシミュレーションを通じて、各国、特に中国のエネルギー需要の見通し、また、エネルギー節約的な経済を達成するための各国間の政策協調のありかたを明らかにしようとしたものである。 この計量経済モデルは2国間貿易の変化を明示的にとらえるための関数群(貿易モデル)を分析の中心に据えている。新しい輸出入関数は相手国の代替性・補完性を考慮に入れたトランスログタイプの関数の応用であり、複雑な国間代替を表すのに適している。この方法論はエネルギー資源の代替を明示的に表現するにも適している。今年度は特に、この関数の現実のモデル内での妥当性を検討した。 日・米・中・韓4ヶ国モデルとそれらの国間貿易モデルの開発をほぼ終了することができた。貿易モデルはやや不安定で改善が必要である。また、エネルギー資源の代替は簡単な定式化のままであり、改良を要する。 計量経済モデルとしての特性を明らかにするため、今年度ではGDPへの影響など、各国政策の国際的波及の試算を行った。日米の国内財政施策の中国への波及はかなり大きいが、逆に中国の経済政策(大規模な内需拡張政策)は日米経済に大きな影響を与えない。いわば一方通行的な関係が指摘出来る。計算結果は試算段階であり、IMFなど他の機関の試算との比較を検証している段階であるが、昨今の急激な経済環境の悪化をシミュレートするまたとない機会を得た。 今後は、モデル精度の向上とスペックの見直し、エネルギー部門への拡張、最適制御アルゴリズムの研究へと作業を延ばしていく予定である。
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Research Products
(1 results)